厩務員の収入を爆発的に跳ね上げるのが「進上金(しんじょうきん)」と呼ばれるボーナス制度だ。レースで馬が獲得した賞金のうち、一定の割合(通常は5%)が担当厩務員に直接分配される。これが、この職業における最大のドリームと言える。
例えば、日本ダービーや有馬記念といったG1レースの1着賞金は5億円に達する。その5%となれば、たった1レースで2500万円もの臨時収入が厩務員の懐に入る計算だ。担当馬が歴史的な名馬に育てば、基本給を遥かに凌ぐ大金を手にするチャンスがある。このスリリングなインセンティブこそが、過酷な労働に耐えるモチベーションとなっているのは間違いない。