荒涼とした武蔵野の入り江に、徳川家康が巨大な城郭の縄張りを敷いたのは1590年のこと。天下統一の象徴として築かれた江戸城跡は、幾度の大火と再建を経て、明治以降に帝都の象徴である皇居へと姿を変えました。
圧倒的な威容を誇る天守台の石垣。巨石を寸分の狂いもなく積み上げた「切り込み接ぎ」の技術は、当時の大名たちが権威を示し、命を削って競い合った痕跡そのものです。現在、今上天皇が執務を行われる宮殿や御所を取り囲むこの空間には、400年以上にわたる政治の変遷と、国家の安寧を祈り続けてきた時間の厚みが確かに刻まれています。