ルーツを遡れば、その骨格は東洋占術の最高峰である四柱推命や算命学の土台と同じく、六十干支の巡りに辿り着く。納音(なっちん)とは、十干と十二支が織りなす60通りの組み合わせに、古代中国の音律理論である五音(宮・商・角・徴・羽)を配当し、独特の象意を与えた体系だ。
木火土金水の五行思想をさらに洗練させ、30の固有な物質や自然現象に見立てる。この詩的でありながら数学的とも言える精密さこそ、古来の軍師や占術家たちが秘中の秘として重宝した理由にほかならない。表面的な行動パターンの奥底に潜む「魂の質感」を言い当てる力は、数ある占術のなかでも群を抜いている。