ここで改めて注目したいのが、モチーフとなった「せんとくん」という存在そのものの文脈である。2010年に開催された平城遷都1300年記念事業の公式マスコットキャラクターとして誕生したこのデザインは、彫刻家であり東京藝術大学教授の藪内佐斗司の手によって生み出された。
発表当初、奈良県庁が公表したそのビジュアルは、童子の頭部に鹿の角が生えているという奇抜さから大きな話題を呼んだ。しかし、藪内佐斗司が込めた仏教美術の伝統と深い造形美、そして奈良県庁による継続的なプロモーションにより、次第に国民的愛されキャラとしての地位を確立していく。鎌田みずきが演じるパフォーマンスは、この歴史的キャラクターが持つ独特のシュールさと哀愁を見事に引き出し、現代のポップカルチャーとして再構築した結果である。