現代の映像作品だけでなく、実はスクリーンやテレビの歴史においてもこの場所は特別な役割を果たしてきた。重厚な黒光りする廊下や格子窓、手入れの行き届いた日本庭園は、数々の本格時代劇のロケ地として長年重宝されてきたのだ。
現代的な電線や構造物が一切視界に入らない立地環境は、過去の時代を描く映像制作陣にとって奇跡的なロケーションと言える。刀を差した侍が路地から現れても何の違和感もないそのロケーション美は、幾多の名監督たちを魅了し続けてきた。ロケの合間に俳優たちが縁側で涼む姿は、地元の古老たちの間でも語り草になっている。