『花より男子』において、花より男子 道明寺司というキャラクターは、ドラマの成否を分ける最大の鍵でした。大富豪の跡取り息子で、喧嘩が強く傍若無人、学園を恐怖で支配する「赤札」の首謀者でありながら、主人公・牧野つくし(井上真央)と出会うことで不器用な愛を捧げる青年へと変貌していく複雑な役柄です。
放送開始当時、原作ファンからは実写化に対する不安の声も少なからず存在していました。しかし、初回放送がスタートするや否や、その懸念は一瞬で熱狂へと塗り替えられます。松本潤が見せたのは、原作のトレードマークである天然パーマを完璧に再現したビジュアルの完成度だけではありません。目線の動き、立ち振る舞い、そして怒りと脆さが同居する感情の起伏を、松潤 花より男子 役作りへのストイックなアプローチで見事に体現したのです。
特に視聴者の心を掴んだのが、数々の「言い間違い」に象徴される愛すべきギャップでした。「大豆(大事)な話」「牧野は俺の運命の白羽の矢(共同体)」など、強烈な威圧感の合間に見せる無邪気な一面が、暴力的な御曹司を憎めない愛されキャラクターへと変化させました。
さらに、「有り得ねぇっつーの」「俺が認めた女なんだから、自信持って前向けよ」「惚れてんだよ、牧野に」といった数々の道明寺司 名言は、松本潤のハスキーで力強い声と真っ直ぐな瞳によって、視聴者の胸に強烈に刻み込まれました。完璧な王子様ではなく、欠点だらけで不器用だからこそ応援したくなる――この泥臭い人間味こそが、松本潤が道明寺司を平成最強のハマり役に押し上げた決定的な要因です。