活版印刷から写真植字、そしてデジタルへと移り変わる激動の時代において、日本の文字流通を支え続けてきたのが株式会社モリサワである。同社が提示してきた膨大な書体ライブラリは、長らくDTP・出版の現場で「標準プロトコル」として機能し、日本のグラフィック史を裏から規定してきた。
そして今、Adobeが提供するAdobe Fontsなどのクラウド配信プラットフォームが普及したことで、フォントの利用環境は劇的な変貌を遂げた。かつては印刷会社や高価なライセンスを保持する一部のデザイナーに限られていた高品質な明朝体が、即座にWebサイトのCSSへ組み込める環境が整ったのだ。フォントサーバーの高速化とブラウザのレンダリング技術の向上が相まって、Web上での可読性と美観は紙媒体のそれに急速に肉薄している。