東北屈指の山岳地帯に位置する日本秘湯を守る会 福島屋は、寛政年間(1790年代)の開湯以来、八谷鉱山で栄えた時代を経て現代までその命脈を保ち続けています。板谷峠の奥深く、前川の源流沿いに建つ木造建築の佇まいは、まさに俗世から隔絶された「隠れ里」の風格を漂わせています。
最大の魅力は、湧出量毎分約300リットル以上を誇る自家源泉の圧倒的な湯力です。泉質は「含硫黄-ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉」。ほんのり青みがかった乳白色の湯には無数の湯の花が舞い、立ち上る硫黄の香りが温泉情緒を極限まで高めてくれます。加水・加温・循環ろ過を一切行わない「純度100%の完全源泉掛け流し」が贅沢に注がれており、古くから胃腸病や皮膚病、神経痛に効く湯治場として親しまれてきました。
現代のデジタル社会において、あえてWi-Fiやスマートフォンの電波が制限される環境に身を置き、川のせせらぎと湯の音だけに包まれる時間は、都会の喧騒に疲れた現代人にとって究極のメンタルデトックス空間として再評価されています。