中学受験から大学受験に至るまで、巨大化する教育産業は「早期教育」と「課金ゲーム」の様相を強めている。少しでも高い偏差値の学校へ入ることが唯一の正解であるかのような言説が、保護者の不安を執拗にあおる。人気漫画『二月の勝者-絶対合格の教室』や、富裕層の狂乱を描いたドラマ『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』が社会現象となった背景には、誰もがうすうす感じている受験競争の異常さへの共感と恐怖がある。
過去の検証番組をNHKオンデマンドなどで見返すと、過熱する受験熱と子どものメンタル崩壊という構図は、形を変えながら繰り返されてきたことがわかる。違いがあるとすれば、現代はSNSによって「他人の成功」や「模試の優秀者成績」が四六時中可視化され、逃げ場が完全に失われている点だ。偏差値という単一のモノサシで人格まで序列化される環境が、子どもから生きる自己肯定感を奪い去っている。