現場で陣頭指揮を執る労働基準監督官の調査権限は強力だ。タイムカードの改ざんや名ばかり管理職を用いた残業代の不払いなど、巧妙に隠蔽された違反行為であっても、労働基準法違反の事実を徹底的に洗い出す。現場での是正指導に従わない悪質な事業者に対しては、最終的に厚生労働大臣の判断のもと、社会的な制裁を含む厳しい措置が下されることになる。
企業にとって社名公表は、取引先からの契約解除や金融機関からの信用失墜を意味する。今や企業コンプライアンスの徹底は、単なるマナーではなく企業存続のための最低限の条件である。過酷な条件で労働者を搾取し続けるビジネスモデルは、行政の厳罰化によって完全に立ち行かなくなっているのだ。