従来のJIS規格履歴書と比べ、厚生労働省版履歴書様式例には明確な思想の違いが刻まれている。最大の違いは、無意識のバイアスを排除するための徹底的な情報整理にある。
性別欄は「男・女」の選択式から任意記載(未記載も可能)へと移行した。通勤時間、扶養家族数(配偶者を除く)、配偶者の有無、配偶者の扶養義務といったプライベートに属する項目は、様式例から完全に削除されている。学歴や職歴、志望動機といった業務遂行能力そのものに焦点を当てる構成だ。
写真貼付欄についても議論が続いているが、現行の様式例では本人の確認用として維持されている。それでも、余計な先入観を排し、個人のスキルと熱意をフラットに見極める土台が整ったといえる。