ここで改めて整理しておきたいのが、国際バスケットボール連盟(FIBA)が定める厳格なレギュレーションだ。FIBAの規定では、16歳以降に国籍を取得した帰化選手については、1試合あたり「登録枠1名」のみと厳密に制限されている。どれほど優秀なプレイヤーが複数帰化を果たしたとしても、公式戦のコートに立てる帰化選手は常にひとりだけという冷徹なルールが存在する。
この「たった1つの枠」をめぐる争いこそが、チーム内における極めて健全で激しい競争を生み出している。相手国のラインナップや戦術に応じた「戦略的使い分け」という選択肢を保持することは、長丁場の国際大会を勝ち抜く上で絶大な有利をもたらす。コンディションの維持や故障リスクの分散という観点からも、複数の実力派帰化選手をいつでも動員できる体制を整えることが、世界基準で戦う国々のトレンドとなっているのだ。