数学的な美しさと工作の達成感を極限まで味わいたいなら、菱形十二面体作り方への挑戦が欠かせません。菱形十二面体とは、12個の合同な菱形(対角線の比が$1:\sqrt{2}$である白銀比の菱形)で囲まれた多面体であり、立方体と正八面体の双対関係から生み出される「空間充填立体(隙間なく空間を埋め尽くす立体)」の代表格です。
これを紙で具現化する最もエレガントな方法がユニット折り紙ひし形の手法です。市販の折り紙を12枚用意し、それぞれを合同なパーツへと折り上げます。各パーツに「ポケット(袋)」と「フラップ(差し込み爪)」を作り、糊を一切使わずに3次元的に編み込んでいきます。
組み立ての要所は、「頂点ごとに集まる面の枚数管理」にあります。菱形十二面体には、鈍角が3つ集まる頂点(合計8箇所)と、鋭角が4つ集まる頂点(合計6箇所)の2種類が存在します。規則正しく3枚組みと4枚組みを連結させていくことで、手の中で徐々に剛性を帯び、最終パーツを差し込んだ瞬間に球体に近い完璧な対称立体が完成します。結晶構造学や鉱物学(柘榴石などの結晶形態)の学習教材としても極めて高い価値を持ちます。