今回の問題は、現行の法制度とガイドラインの隙間を痛烈に突く形となった。本来、児童の健やかな成長と権利を護るべく定められた「いじめ防止対策推進法」だが、その対象は主に小・中・高校や特別支援学校であり、未就学児が通う保育所における具体的な適用ルールについては議論が分かれてきた。
また、国の基準である「保育所保育指針」においても、情緒の発達や人間関係の構築に関する記載はあるものの、園児間で生じる攻撃的・継続的な排除行為への組織的リスク管理については、各事業者の裁量に委ねられている面が大きい。法令や指針が現場の運用レベルで形骸化していた実態について、厚生労働省も制度上の課題として議論を深めつつある。