大学病院での受診を検討する際、多くの患者が陥りやすい誤解や見落としがちな盲点が存在します。ネット上の情報や先入観にとらわれず、客観的な医療システムを理解しておくことが不可欠です。
第一の誤解は、「大学病院に行けば、虫歯1本の治療もすべて1回で短時間で終わらせてくれる」という思い込みです。大学病院は高度医療・急性期医療を担う機関であるため、初診当日は問診・各種検査・治療計画の立案にとどまり、実際の処置は次回以降に持ち越されるケースが少なくありません。軽微な虫歯処置や定期検診だけであれば、地域の一般開業医の方が通院回数や処置時間を柔軟に調整できる場合があります。
第二の盲点は、指導医と研修医の「チーム医療」に対する理解です。大学病院は次代の歯科医師を育成する教育施設でもあるため、基本的な処置や事前診査を若手歯科医師が担当し、重要な処置や最終確認を指導医・教授陣が監督する体制をとることがあります。「ベテランの教授に最初から最後まで全てマンツーマンでやってほしい」という期待を抱いて受診すると、現場の運用とギャップが生じる原因になります。
医療社会学の観点からも、かつての「医師にすべてを任せるパターナリズム(父権的温情主義)」から、患者自身が複数の選択肢から納得して選ぶ「インフォームド・コンセント(説明と同意に基づく自己決定)」への転換が強く求められています。大学病院では十分な説明責任が果たされる反面、治療法の最終判断を患者自身が下す責任が問われます。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
取材データと現場の診療体制を総合的に分析した結果、鶴見大学歯学部附属病院の受診が向いている人と、地域の一般歯科を受診した方が良い人の明確な判断基準は以下の通りです。
【当院の受診を強くおすすめできる人】
- 近隣の歯科クリニックで「神経に近い親知らず」「重度の歯周病」「難症例インプラント」などで断られた、または治療リスクが高いと診断された方
- 持病(高血圧、心疾患、糖尿病など)があり、全身疾患のモニタリングや点滴麻酔下での外科手術を希望する方
- 骨格的なズレを伴う受け口・出っ歯など、外科手術を併用した保険適用の矯正治療が必要な方
- 痛みに極度の恐怖心があり、静脈内鎮静法を用いた日帰り・入院での集中的な抜歯を行いたい方
【近隣の一般歯科クリニックを優先すべき人】
- 軽度の虫歯治療やクリーニング、ホワイトニングなど、日常的な定期メンテナンスを手早く済ませたい方
- 平日の日中に時間が取れず、夜間や日曜日しか通院できない方
- 待ち時間を一切作らず、完全予約制で毎回決まった担当医にマンツーマンで短時間の治療を受けたい方
- 紹介状の取得手続きを面倒に感じ、追加費用なしで即日完結の処置を求める方