男の哀愁や優しさをダイナミックに歌い上げるスタイルで一世を風靡した河島英五。彼の代表作である『酒と涙と男と女』は、元々は彼が10代の終わりに書き上げた楽曲だった。メジャーデビューを果たし、渡辺プロダクションに在籍していた時代、その溢れ出る才能は瞬く間に全国へと届くことになる。
ヒット作を連発し、一見華やかに見える音楽活動の裏側で、彼を精神的にも生活面でも愚直に支え続けたのが妻の牧子さんだった。売れない下積み時代から、多忙を極めるスターダムの渦中まで、どんな時も変わらぬ笑顔で家庭を守り、彼の創作意欲の源泉であり続けた。気さくで嘘のつけない男が、安心して素の自分に戻れる唯一の場所――それが牧子さんの待つ自宅だったのだ。