ハートの女王の恐るべき正体とは?元ネタの実在モデルと赤の女王の謎を解剖

ハートの女王の恐るべき正体とは?元ネタの実在モデルと赤の女王の謎を解剖

ハートの女王の恐るべき正体とは?元ネタの実在モデルと赤の女王の謎を解剖についての真相を徹底解説します。

ルイス・キャロルがハートの女王を生み出すにあたり、誰をモデルにしたのかについては長年文学研究者の間で議論が交わされてきました。もっとも有力視されているのが、当時のイギリス君主であるヴィクトリア女王です。

大英帝国の絶頂期に君臨したヴィクトリア女王は、厳格な道徳観と強い意志を持った君主として知られていました。キャロルは絶対的な権威を振りかざす当時の王室や大人の抑圧的な教育観を、アリスという無邪気な少女を理不尽に裁くハートの女王の姿に重ねて風刺したと解釈されています。

また歴史上の人物として、15世紀の薔薇戦争においてランカスター派を率いた王妃マーガレット・オブ・アンジューをモデルとする説も根強く存在します。マーガレットはランカスター家の象徴である「赤い薔薇」を掲げ、敵対者に対して極めて苛烈な処刑を繰り返したことで知られる人物です。作中でトランプ兵が「白いバラを赤く塗る」エピソードは、白薔薇のヨーク家と赤薔薇のランカスター家が争った薔薇戦争の歴史的パロディであるという見立ては、文学界でも非常に有名です。

なお、一般的なプレイングカード(トランプ)におけるハートのクイーンは、旧約聖書に登場する女傑「ユディト」や、ヘンリー7世の王妃「エリザベス・オブ・ヨーク」が図案の由来とされていますが、物語のハートの女王はそうした伝統的肖像とは一線を画す、独自のカリスマ性を纏っています。

橋本 菜々子
Author

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。