発端となったのは、2017年から2019年にかけてX(旧Twitter)上に投稿された複数のイラストです。当時、性暴力被害を実名と顔を出して告発していた伊藤詩織氏に対し、漫画家のはすみとしこ氏は「山口詩歩」といった偽名を用いたキャラクターのイラストを公開。「枕営業大失敗」「金目当て」などのテキストを添えて発信を続けました。
これらの投稿に対し、伊藤詩織氏は「虚偽の事実と侮蔑的な表現によって社会的評価を著しく低下させられた」として、2026年6月に東京地裁へ提訴。はすみ氏に対して550万円、さらに当該投稿をリツイートして拡散した男性2名に対しても各110万円の損害賠償を求め、法廷闘争へと発展しました。
単なる個人的なトラブルにとどまらず、「実名を伏せたイラストであっても本人の社会的評価を傷つける名誉毀損に該当するのか」「SNSの拡散機能を使っただけの第三者にどこまで法的責任が及ぶのか」という2つの大きな論点が、世間の強い関心を集めることとなりました。