ウォルト・ディズニー・カンパニーは、過去十数年にわたりエンタメ界の覇者として君臨してきた。その中核を担ってきたのが、圧倒的な世界観の広がりを見せるマーベル・シネマティック・ユニバースだ。劇場映画と配信ドラマを密接に連動させるユニバース構想は、世界の映画ファンを魅了し続け、前人未到の興行記録を打ち立てた。
しかし、作品数の急増に伴うクオリティのばらつきや、視聴者の「鑑賞疲れ」が指摘されるようになると、舵取りの変更が余儀なくされた。スタジオトップを務めるケヴィン・ファイギは、量から質への完全な転換を宣言。公開本数を絞り込み、脚本開発に十分な時間をかける精鋭化路線へと切り替えた。
また、同社の最高経営責任者(CEO)であるボブ・アイガーも、過度なコンテンツ投入によるブランド価値の希薄化に警鐘を鳴らす。長年同社を支えてきたスター・ウォーズシリーズも含め、劇場映画としての圧倒的なイベント性を再構築することが、新たな成長軌道を描くための不可欠な条件となっている。