「清」という文字の歴史を考古学的な資料から辿ると、亀の甲羅や動物の骨に刻まれた甲骨文字や、青銅器に鋳込まれた金文の時代に起源を見出すことができます。
古代の甲骨文字や初期の金文において、水を表す文字は流れる水の形そのものを象形化した線画でした。そこに「青」の原形が添えられることで、視覚的な描写から概念的な文字へと昇華していきます。秦代に文字が統一された篆書(てんしょ)の時代になると、現在の「清」の骨格が完全に定着しました。
古代中国の古典文献『説文解字(せつもんかいじ)』においても、「清は水澄むなり」と端的に定義されています。古代の人々にとって、澄んだ水は神聖な儀礼に不可欠な存在であり、単に物理的に綺麗なだけでなく、「邪気を祓い、心身を清める聖なる水」という意味合いが定着していったのです。