八幡坂がこれほどまでに人々を魅了する理由は、計算されたかのように完璧な景観構成にあります。函館山の裾野から港に向かってまっすぐに下る坂道は、両脇に美しい街路樹が整然と立ち並び、視線の先には函館港の青い海が広がります。さらに海の正面には、かつて本州と北海道を結ぶ動脈として活躍した青函連絡船記念館「摩周丸」が係留されており、港町・函館のアイデンティティを象徴する景色が1枚のフレームに収まります。
この絶景を全国区へと押し上げたのが、1980年代から1990年代にかけて放映されたライオンの台所用洗剤「チャーミーグリーン」のテレビCMでした。「手をつなぎたくなる」というキャッチコピーのもと、年配の夫婦が仲睦まじく手を繋いでスキップしながら坂を下りていく姿は、当時の視聴者に強烈な印象を残しました。放映から年月が経った現在でも、この坂は別名「チャーミーグリーンの坂」として親しまれ、多くの世代が憧れを抱いて訪れる聖地となっています。