坂の上に立ち、視線を遠くへ走らせる。幅広の舗装路が一直線に海へと下り、その延長線上に青い港と青函連絡船記念館「摩周丸」がぴったりと収まる。この計算し尽くされたかのような完璧なアイレベルこそが、他の斜面にはない唯一無二の視覚体験を生み出している。
函館山からの夜景と並び、この場所が国内有数の名所となった理由は地形的な奇跡だけではない。周辺を彩る街路樹の並木や、歴史を感じさせる西洋建築の佇まいが、港町の風情をより一層引き立てているからだ。坂道をそよぐ海風を感じながら佇むだけで、日常の雑騒が遠のいていく感覚を覚える。