『BULL/ブル 法廷を操る男』が他の法廷劇と一線を画す最大の理由は、実在する人物のキャリアに着想を得ている点にある。アメリカで絶大な知名度を誇る心理学者フィル・マグロー博士の若き日の実話が、作品のバックボーンとなっているのだ。彼が創設した法廷コンサルティング会社の実録データが、ドラマのリアルな描写を支えている。
制作を手掛けたCBSスタジオは、膨大な実際の裁判記録と心理学的知見を組み合わせ、従来の弁護士ドラマとは全く異なるエンターテインメントを構築した。人間観察のプロフェッショナルたちが陪審員一人ひとりの生い立ち、SNSの発言、目線の動きまで徹底的に分析する「裁判心理学」の視点は、観客に強い知的好奇心と鳥肌の立つような緊迫感を与えてくれる。