M5規模の地震が思わぬ激震と化す最大の引き金は、震源の深さにある。震源が地下数十キロから百キロを超える深い場所であれば、地表に到達する過程で波のエネルギーは球状に拡散し衰退する。だが、深さ10キロ未満の浅い内陸地殻内地震の場合、放出された断層破壊のエネルギーは減衰することなくダイレクトに直上の街を打ち鳴らす。
地形と表層地盤の性質も揺れを増幅させる決定打だ。河川沿いの沖積平野や人工の埋立地といった極めて軟弱な地盤では、岩盤を通ってきた地震波が地殻の境界で屈折・増幅し、局所的な大揺れを引き起こす。同じ市町村内であっても、山手側の硬い地盤では震度3にとどまる一方で、軟弱地盤の沿岸部では震度5弱に達するといった偏りが発生するのはこのためだ。