英語の「appreciate」を英和辞典で引けば複数の定義が並ぶが、ビジネス英語の現場で活用するなら、まずは基本となる「4大意味」とその適切な使い分けを押さえるのが近道だ。
第1の意味は、最も有名な「〜に感謝する」である。ただし、人が対象となる「Thank you」とは対照的に、「appreciate」は行為や状況、気配りといった事象を目的語にとる。「I appreciate your assistance.(ご協力に感謝いたします)」のように、相手が注いでくれた労力や時間に焦点を当てるのが特徴だ。
第2の意味は、「〜を正しく評価する・価値や状況を深く理解する」だ。実務において最も差がつくのがこの用法である。「I appreciate your perspective.」は「感謝する」という意味ではなく、「あなたの視点や置かれた状況の重みを正しく把握している」という意思表示になる。相手の主張に一定の敬意を払い議論を前進させる際、きわめて知的な響きを持つ。
第3の意味は、「(芸術作品や文化などを)鑑賞する・味わう」だ。絵画やクラシック音楽、あるいは上質なワインなどの価値をじっくり噛みしめる場面で使われる。物事の真価を見抜く目が養われている状態を示す言葉でもある。
そして第4の意味が、「(資産などの価値や価格が)上がる」という自動詞の用法だ。対義語である「depreciate(下落する)」の反対として、不動産や株式市場、為替などの文脈で頻出する。金融ニュースを読み解く上でも外せない重要概念だ。