佐藤の作品は、一見するとシンプルな抽象絵画に見えます。しかし、近接して鑑賞したとき、その画面がいかに綿密に計画され、あるいは即興的に立ち上げられているかに驚かされます。主にアクリル絵具を使用し、薄塗りや色面の重ね合わせ、筆触の残し方に細心の注意が払われています。
絵画の「支持体」へのアプローチ
絵が描かれる木枠や布、合板といった「支持体」そのものが作品の一部として機能します。キャンバスの側面や裏側の木枠の存在感、描画面の端(エッジ)の処理など、佐藤は絵画を平面的イラストレーションではなく、空間に存在する「立体的なオブジェクト」として捉えています。
色彩と光の干渉
置かれた色同士がどのように反応し合うか。隣り合う色がもたらす明暗のコントラストや、塗りの重なりが生み出すわずかな影。佐藤の色彩設計は、物理的な絵具のレイヤーを超えて、展示空間の光と相互作用します。