もっとも、すべての取り組みが順風満帆というわけではない。築数十年を経過した建物の維持管理コストや、今後の耐震・改修工事に必要な予算の確保は、自治体にとって重い課題として立ちはだかる。
全国の地方自治体では、利用率の低い公共施設の削減や統廃合が急速に進んでいる。万富地区でも過去に施設のあり方を巡って議論が交わされた経緯がある。限定された予算の中で、どのような施設を残し、どのように活用していくべきなのか。住民側と行政側での丁寧な合意形成が不可欠だ。
「維持費がかかるからといって機械的に閉鎖してしまえば、地域のコミュニティそのものが消滅してしまう」。ある地元関係者は危機感を募らせる。建物のハード面を維持するだけでなく、ソフト面での付加価値をいかに高められるかが、今後の施設存続を左右する最大のカギとなる。