ニュースなどで頻繁に議論されるのが、「過失運転致傷」と「危険運転致傷」の境界線です。両者の最も根本的な違いは、運転行為に対する「故意性(あえて危険な運転を行ったか)」にあります。
過失運転致傷は、注意していれば防げた「不注意やミス」による事故を指します。これに対して自動車運転死傷処罰法第2条および第3条に規定される「危険運転致傷罪」は、以下のような特定の極めて危険な運転類型に該当する場合に適用されます。
・アルコールや薬物の影響で正常な運転が困難な状態での走行
・進行を制御することが困難な猛スピードでの走行
・通行禁止道路の進行や赤信号の意図的な無視
・他車を著しく妨害する目的での幅寄せや追突(いわゆる「あおり運転」)
法定刑の格差は歴然です。過失運転致傷の最高刑が懲役7年であるのに対し、危険運転致傷罪の法定刑は最長で15年以下の懲役となり、罰金刑の規定すら存在しません。起訴された時点で原則として正式裁判となり、初犯であっても実刑判決が下される確率が一気に跳ね上がります。
近年では、アルコール基準値や危険運転の認定要件を巡り、検察側の起訴方針や裁判所の判例判断がより厳格化する動きが続いており、法改正の議論を含めて社会的な注目が集まっています。