この地に城を築いたのは、南朝方の重臣として陸奥国に下向した武将、南部師行である。南北朝の動乱期において、北朝勢力に対抗するための戦略的拠点として選ばれたのがこの丘陵地であった。南朝の勢力を支え続けた根城は、その後約300年間にわたり八戸地域の政治・軍事の中心地として君臨し続けた。
現代の歴史学・文化財保護の観点から見ても、根城の遺構群は類を見ない価値を誇る。安土桃山期以前の「中世城郭」が大規模な改変を受けずに地中に眠り、それが現代に精密に発掘・復元された例は全国的にも珍しい。土塁の角度一つ、柱穴の位置一つに、当時の武士たちの知恵と緊張感が刻み込まれている。