過去進行形とは、「過去の特定の瞬間において、ある動作がまさに進行中であった(途中だった)」という状況を生き生きと描写するための文法です。日本語では一般的に「(その時)〜していました」「〜しているところでした」と訳されます。
多くの学習者が最初につまずくのが、「普通の過去形と一体何が違うのか」という点です。両者の最大の違いは、時間に対する「カメラのズーム度(視点のアスペクト)」にあります。
単純過去形は、過去の行為や出来事を遠くから引いたカメラで全体として眺め、「その行為が最初から最後まで行われて完了した」という客観的な事実(点)を述べます。これに対して過去進行形は、過去のある一瞬にぐっとカメラをズームインさせ、動作の真っ最中をコマ送りで切り取った映像(線の断面)を映し出します。
具体的な対比例文でその違いを実感してみましょう。
- 単純過去形:I studied English yesterday.(私は昨日、英語を勉強しました)
→ 昨日「英語を勉強するという行為を完了した」という単なる事実の報告です。何時何分に勉強の途中だったかは問題にしていません。 - 過去進行形:I was studying English at 8 p.m. yesterday.(昨日の午後8時、私は英語を勉強していました)
→ 昨夜8時というピンポイントの瞬間を切り取っており、8時の前後に勉強という動作がまさに継続していた「現場の光景」を描写しています。
このように、「過去進行形をいつ使うのか」という疑問への答えは明快です。「過去のある特定の時点を指定され、その瞬間に何が行われている最中だったかを伝えたいとき」にこそ使われます。