エレベーターを降りて薄暗い通路を進むと、重厚な一枚板の扉が迎えてくれる。一見すると営業しているのかすら分からない隠れ家バーが点在しているのも、ピースビルの大きな魅力の一つだ。
「看板を出さなくても、本当に美味しい酒を求める人だけが辿り着いてくれればそれでいいんです」とマスターが微笑む。カウンター6席だけのそのバーでは、東北産のクラフトジンやウイスキーをベースにしたオリジナルカクテルが静かにグラスに注がれる。国分町の喧騒が嘘のように静まり返ったプライベート空間で過ごす時間は、日常の慌ただしさを忘れさせてくれる贅沢なひとときだ。こうした「自分だけの秘密にしておきたい店」がワンフロアごとに潜んでいる。