展示のなかでもひと際強い異彩を放つのが、日本三古碑の一つとして知られる「国宝 多賀城碑」関連の資料だ。西暦762年に建立されたとされるこの石碑には、京の都からの距離や多賀城の改修経緯が刻まれており、当時の国家権力が北方の地をいかに重視していたかを無言のうちに語りかけてくる。
文字の一筋一筋に込められた古代人の意思。刻まれた銘文をじっくり観察すると、当時の政治的緊張感や文化の混交が生々しく伝わってくる。長年の保存対策と緻密な学術調査によって保護されてきたこの至宝は、みちのくの歴史を語るうえで欠かせない一文字一文字の重みを、現代の私達に力強く突きつけている。