2009年に公開された映画『鴨川ホルモー』は、松竹が配給を手掛け、名匠・本木克英監督がメガホンをとった。当時の映画産業において、VFXを多用したファンタジー作品はCGの粗さや現実味の欠如が課題とされがちだったが、本作はそのハードルを軽やかにクリアしてみせた。
本木監督が徹底したのは、徹底的な「京都の空気感の定着」だ。吉田神社の境内、鴨川の三角州、趣のある路地裏など、実在するロケーションに奇妙なCGキャラクターを違和感なく溶け込ませた。突飛な設定を支える確かな実景の力。このハイブリッドな映像美が、邦画におけるファンタジー表現の新たな地平を切り拓いたと評されている。