相手の会社に対する敬称には、「貴社」のほかに「御社」という言葉が存在します。この二つの決定的な違いは、コミュニケーションの手段が「書き言葉(文章)」か「話し言葉(会話)」かという点に集約されます。
「貴社(きしゃ)」は、文字通り書面やメールで相手を尊重する際に使用する表現です。同音異義語に「記者」「貴者」「帰社」などが多数存在するため、口頭で話すと聞き手が混乱しやすいという背景があり、文章専用として定着しました。一方の「御社(おんしゃ)」は、面接や打ち合わせなど、実際の会話の中で相手企業を指す際に使う言葉です。
例えば、書類選考の段階では「貴社の事業展開に惹かれ」と記載し、面接の場では「御社の社風に感銘を受けました」と発言するのが正しい敬語のルールです。