1960年代後半、関西の若者文化を揺るがす熱狂的なテレビ番組が誕生した。深夜ラジオで圧倒的な支持を集めていた若き日の三枝を抜擢し、全国にその名を轟かせた『ヤングおー!おー!』である。製作を手掛けた毎日放送や、対立する枠組みを超えて関西カルチャーを全国区へと押し上げたABCテレビをはじめとする各局の熱気は、今も語り草だ。
当時の演芸場は、年配の客が中心の落ち着いた空間だった。そこへジーンズ姿の若者が押し寄せ、アイドルのコンサートさながらの歓声を上げる。劇的な構造変化を仕掛けたのが、若き日の三枝だった。スーツ姿で軽快なトークを繰り広げ、コントや歌を融合させた斬新なスタイルは、お笑い・演芸業界における「テレビタレント型落語家」の原点となる。この成功が、吉本興業というプロダクションを全国区のエンタメ企業へと飛躍させる強力なエンジンとなったことは言うまでもない。