貴乃花の恋愛模様を語る上で、どうしても避けて通れない出来事がある。1992年、トップ女優として絶大な人気を誇っていた宮沢りえとの婚約発表だ。当時19歳と20歳の若きふたりが見せた微笑ましい記者会見は、昭和・平成を通じた芸能ニュース史上最大のインパクトを与えた。
だが、その祝福ムードは二ヶ月足らずで打ち砕かれる。突如として発表された婚約解消。「愛情がなくなった」という素っ気ない言葉の陰には、角界の伝統を守ろうとする重鎮たちの思惑や、あまりにも巨大すぎた世間の注目といった目に見えない圧力が渦巻いていた。
若き大関が背負わされた重圧と、あまりにも切ない破局劇。この出来事は、彼のその後の生き様や人間不信、そして相撲道へのより一層の没頭に大きな影響を与えたとされる。