『鬼滅の刃』に登場する髪色の中でも、特に読者の考察熱を刺激したのが「血筋に由来する遺伝設定」です。
炎柱・煉獄杏寿郎をはじめ、父の槇寿郎、弟の千寿郎に至るまで、煉獄家の男子は全員が寸分違わぬ「燃え盛る炎のような黄と赤の髪」をしています。この驚異的な遺伝の秘密は、公式ファンブックにて「観篝(かがりび)の儀」という儀式によるものと明かされました。煉獄家では代々、身重になった母親が7日間かがり火を見続けるという風習があり、その影響で強烈な炎の髪色が受け継がれているとされています。
また、最年少の柱である時透無一郎の「黒から毛先に向かって透き通るミントグリーン」の髪色は、彼のルーツである始まりの呼吸の剣士・継国縁壱や黒死牟(継国巌勝)の血統と結びついています。一見すると冷徹に見える無一郎の瞳とミントグリーンの髪色は、記憶を取り戻すにつれて澄み渡る青空のような優しさを象徴するデザインへと昇華されていきます。
さらに竈門禰豆子の髪色は、人間時代は黒一色だったものが、鬼化したことで毛先が鮮やかな朱色に染まりました。これは体内で巡る「血鬼術・爆血」の炎のエネルギーが髪先に表出したものと解釈でき、物語の変遷とともに視覚的な意味合いが変化する巧みな演出です。