義勇を語る上で欠かせないのが、第1話で炭治郎に向けて放った「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」という苛烈な叱責です。土下座して妹の助命を請う炭治郎に対し、情け容赦ない言葉を浴びせた場面は、作品を代表する名シーンとして語り継がれています。
しかし、この怒りは決して冷徹さから出たものではありませんでした。自身も過去に大切な人を守れず絶望を味わったからこそ、「泣き寝入りや懇願では鬼から何も取り戻せない」「強くなって生き抜くしかない」という、義勇なりの不器用で強烈なエールだったのです。
鬼でありながら兄をかばう禰豆子の姿に可能性を見出した義勇は、自らの師である鱗滝左近次へ二人を託しました。もしこの出会いがなければ、鬼殺隊士・竈門炭治郎が誕生することはなく、鬼舞辻無惨を討伐する道筋も開かれませんでした。