アニメ史を振り返る上で、テレビアニメ『鬼滅の刃 竈門炭治郎 立志編』のクライマックスを飾った「那田蜘蛛山編」を抜きに語ることはできない。アニメーション制作を手がけたufotableは、鋼の糸が夜の森林を縦横無尽に切り裂く緊迫感を、目を見張る3DCGと手描き作画の融合によって描ききった。
月明かりに照らされる白銀の糸、静かに指先を動かす少年の不気味な佇まい。従来のダークファンタジーの枠組みを軽々と飛び越え、世界中のファンを驚嘆させた映像演出は、日本のアニメ産業におけるクオリティの到達点を一気に引き上げる契機となった。画面越しに伝わる糸の鋭利さと肌を刺すような空気感は、現在も各種配信で繰り返し鑑賞される伝説的なシーンとなっている。