テレビドラマの歴史において、彼の名が深く刻まれている分野といえば、間違いなく時代劇だろう。特にNHK大河ドラマにおける存在感は圧倒的だった。1991年放送の『太平記』で見せた複雑な人間心理の表現は、視聴者に強い衝撃を与えた。権謀術数が渦巻く乱世のなか、葛藤し、蠢く人物をリアルに体現してみせたのだ。
さらに、2004年の大河ドラマ『新選組!』でも、物語の骨格を支えるキーパーソンとして強烈な印象を残している。威厳と哀愁を同時に漂わせる立ち振る舞いは、若手俳優中心の現場にあって揺るぎない重石となった。時代背景を深く理解し、セリフ行間の空気感までをも支配する演技は、まさに職人技の極みであった。