2000年代初頭、フジテレビジョンが放映した『ウォーターボーイズ』は、まさに社会現象だった。シンクロナイズドスイミングに挑む男子高校生たちの熱気と汗を描いたこのテレビドラマは、多くの若手実力派を輩出。その群像劇の中で、凛とした佇まいと爽やかな存在感を放っていたのが片山怜雄だった。
名門アミューズに所属し、俳優として順風満帆な滑り出しを見せていた彼の前には、約束された未来が広がっているように見えた。当時のテレビ界はまさに活況を呈しており、出演作が次々と話題を呼ぶ時代。だが、スポットライトが強くなればなるほど、作られた偶像と本当の自分とのギャップに苦しむ俳優は少なくない。彼もまた、表現の本質とは何かという根源的な問いを抱え始めていた。