捜査が進むにつれて浮き彫りになったのは、単なる運転手の不注意にとどまらない、関越道バス事故の運行管理実態における構造的な腐敗でした。バスを所有していた千葉県印西市の株式会社「陸援隊」では、法令で定められた運行管理者が実質的に不在のまま日々の配車が行われていました。
とりわけ重大だったのは、違法な「名義貸し(白トラ・白バス類似行為)」が常態化していた点です。陸援隊は、無許可の個人事業者に対して自社のバスと営業ナンバーを使わせ、マージンを抜くだけという無責任なビジネスモデルを横行させていました。事故を起こした運転手自身も、事実上の下請け個人事業主として車両を持ち込み、過重労働を強いられていた一人でした。
また、ツアーを主催・販売していた旅行会社「ハーベストホールディングス」と陸援隊の関係も厳しく追及されました。旅行会社側は徹底的な価格競争に勝つため、安全管理能力が著しく欠如している陸援隊へ格安で運行を委託。安全コストを削り落とした激安ツアーの構造そのものが、事故の温床となっていた事実が白日の下に晒されました。