取材の現場は急速に冷え込んでいる。NHKプラスなどの見逃し配信やネットメディアの台頭で情報伝達のスピードが劇的に加速する一方、報道・マスメディア産業が官邸中枢の肉声に迫ることは年々難しくなっている。
政治ジャーナリズムの劣化が叫ばれて久しい。だが問題の本質は記者の能力不足だけではない。補佐官クラスのキーマンが、大手メディアのオフレコ懇談すら選別し、都合の良い言説を垂れ流すプラットフォームを自ら選ぶ時代になったからだ。権力者が自ら情報を発信できる環境が整ったことで、権力を監視すべき報道機関が「発表モノ」の後追いに追いやられる構図が固定化しつつある。