フジテレビ系列で1994年に放送がスタートした『古畑任三郎』は、犯行の全貌を冒頭で見せる倒叙ミステリーという手法を日本で一気にメジャーへと押し上げた。アメリカの名作『刑事コロンボ』へのオマージュを込めつつ、三谷幸喜独特のユーモアと綿密な伏線回収を融合させた構成は実に秀逸だ。
作品群は大きく分けて3つのレギュラーシーズンと複数のスペシャル、そして完結編で形成されている。時系列順に整理すると以下の通りだ。
- 第1シリーズ(警部補 古畑任三郎): 1994年4月〜6月期放送(全12話)。記念すべき第1話の犯人役は中森明菜。
- スペシャル『笑うカンガルー』: 1995年1月放送。オーストラリアを舞台にした初の海外ロケ特番。
- 第2シリーズ: 1996年1月〜3月期放送(全10話)。オープニングの語りが定着し、作品のスタイルが完成。
- 総集編&スペシャル『しばしのお別れ』: 1996年3月放送。山口智子が華麗な犯人役を熱演。
- スペシャル『古畑任三郎 vs SMAP』『黒岩博士の恐怖』: 1999年1月放送。国民的グループとの対決は社会現象に。
- 第3シリーズ: 1999年4月〜6月期放送(全11話)。江口洋介や市川染五郎(現・松本幸四郎)らが出演。
- スペシャル『すべて閣下の仕業』: 2004年1月放送。全編スペインロケで描く極上の心理戦。
- 古畑任三郎 FINAL: 2006年1月放送(全3夜)。伝説の幕を引くラストエピソード群。
従来の対決型刑事ドラマとは一線を画し、犯人と古畑の会話劇そのものがサスペンスを生み出す構造は、今見返しても全く色あせない新鮮さを持っている。