1999年の新春を飾るスペシャル版として制作された『古畑任三郎 vs SMAP』は、脚本家・三谷幸喜氏の才気が遺憾なく発揮された作品です。通常、ドラマ内の犯人役は架空の人物が割り当てられますが、本作では中居正広、木村拓哉、稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾の5人が「実在するSMAP本人」として登場しました。
物語の発端は、草彅剛が叔父を名乗る悪質な興行プロモーター・富樫から執拗な脅迫を受け、多額の金銭を要求されていたことでした。富樫の魔の手から草彅を救い、グループの未来と絆を守るため、リーダーの中居を中心に5人はある恐ろしい決断を下します。それは、コンサート会場の熱気と喧騒の裏で、富樫を密かに始末するという「完全犯罪」の計画でした。
ステージ上で何万人もの観客を魅了する華やかなアイドルの顔と、バックヤードで冷徹に犯罪を遂行する素顔。虚実が入り混じるスリリングな設定は、当時の視聴者に凄まじいインパクトを与え、放送直後からテレビ史に残る傑作として語り継がれることになりました。