1992年11月、日本中が沸き立った。弱冠20歳で角界の頂点を目指していた貴花田(のちの貴乃花光司)と、19歳でトップスターの座を揺るぎないものにしていた宮沢りえ。時代のアイコン同士の結びつきは、単なる芸能ニュースの枠を遥かに超えていた。
当時のワイドショーは連日、二人の一挙手一投足を追いかけ続けた。カメラの前で見せた純粋な笑顔、手を取り合うふたりの姿に、人々は未来の「平成の大横綱とその妻」の理想像を重ね合わせた。だがその眩いスポットライトの裏側では、すでに二つの全く異なる文化の軋轢が芽生えていたのである。