芸能界デビュー当初、彼女は本名に近い「ラフルアー宮澤エマ」名義で活動していました。当初はテレビ番組の企画などで「宮澤喜一元首相の孫」というフックでクイズ番組やバラエティにゲスト出演することが多く、世間からもいわゆる“セレブタレント”の一人として見なされる時期が続きました。
しかし、彼女の本来の情熱は幼い頃から志していた「舞台表現」にありました。転機となったのは、世界的演出家・宮本亞門氏が手がけたミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング〜それでも僕らは前へ進む〜』(2013年)のオーディションです。宮本氏は彼女の出自を知らずにその卓越した歌唱力と表現力を高く評価し、ヒロインの一人に大抜擢しました。
この成功を機に、彼女は芸名を「宮澤エマ」へと改め、本格的にミュージカル俳優としての道を歩み始めます。『シスター・アクト〜天使にラブ・ソングを〜』『ジキル&ハイド』『ウエスト・サイド・ストーリー』など東宝・劇団四季系の大型舞台で着実に実績を重ね、2019年には第44回菊田一夫演劇賞を受賞。さらにNHK連続テレビ小説『おちょやん』や大河ドラマ『鎌倉殿の13人』での実咲役など、映像の世界でも観る者を唸らせる怪演を披露し、名実ともに日本を代表する実力派女優の座を掴み取りました。