宮史郎さんは1943年1月17日、兵庫県姫路市に生まれました。決して裕福ではない家庭環境のなか、若い頃から音楽への情熱を抱き、兄の宮五郎さんとともに上京・関西での活動を模索します。十代から二十代にかけては、キャバレーやナイトクラブのステージで前座を務めるなど、泥水をすするような下積み生活が続きました。
独特のこぶし回しと、一度聴いたら忘れられないハスキーな哀愁ボイスは、この過酷な現場で客の足を止めるために磨き上げられたものでした。どん底の時代を共に生き抜いた実兄との連帯感や、貧しい暮らしの中でも文句ひとつ言わずに支えてくれた家族の温もりこそが、名曲『女のみち』に宿る切実な感情の源泉となっていたことは間違いありません。