『ベツコミ』(小学館)で連載された本作は、従来の王道な少女漫画とは一線を画す圧倒的な熱量を持つ。作者である加賀やっこが描くのは、単なる爽やかな部活の恋ではない。弓道という厳かな武道を通して剥き出しになる、生々しい感情の交錯だ。
弓を構える静寂の瞬間と、ふたりきりの空間で交わされる濃密な吐息。静と動のギャップが作品全体に張りつめた緊張感を与えている。高校最後の大会を終え、弓道を引退しようとする先輩。それを絶対に逃がしたくないと渇望する後輩。その一目惚れから始まる粘着質な好意が、読者の心を一気に引きずり込んでいく。