伊勢ヶ濱部屋への居候とも言える現在の体制は、旧宮城野勢にとって決して居心地の良いものではない。大部屋での稽古は活気に満ちているが、指導陣の目、そして力士たちの派閥意識は隠しようがないのが現実だ。旧宮城野の若手力士たちは、伊勢ヶ濱の厳しい規律に順応しつつも、かつての「我が家」への帰還を夢見ている。
一方で、この合流がもたらした副産物もある。伊勢ヶ濱部屋の質の高い稽古環境により、旧宮城野勢の技術的な底上げが進んだことだ。特に若手の中には、環境の変化をバネにして急成長を遂げる者も現れた。しかし、心は一つではない。同じ屋根の下で暮らしながらも、見えない境界線が存在することは、関係者の間では公然の秘密となっている。